よくあるご質問

2017.11.24

来年分の会費を先払い(前受金の仕訳)

来年の会費を先払い、というパターンは結構多いようで、当社でも何度かご質問頂いております。
この場合、当年度から次年度にまたがって処理していく必要があります。
面倒かもしれませんが、

お金の動きを

動いた日に

ありのままに書く

のが基本です。
お金を受け取った以上帳簿に書かないわけにはいきません。
間違いのない帳簿を作るためにも、頑張って処理しましょう。

 

1.来年度分の会費を受け取った

※ある会員さんより50,000円が来年度分として振り込まれた

借方 貸方
普通預金
(資産)
50,000円
前受金
(負債)
50,000円
この仕訳をすると、普通預金(資産)は増えますが、前受金(負債)も増えます。
資産は増えたけど(+)、負債も同じだけ増えた(-)ので、プラスマイナスゼロで実質お金は1円も増えていないよ、という仕訳になります。
間に収入の科目を挟んでいませんので、当然当年度の収入としては現れません。

 

2.新年度の開始仕訳
※当年度から引き継いだ資産は普通預金300,000円、現金30,000円
 これには、来年度分の会費として預かった前受金50,000円が含まれる
借方 貸方
普通預金
(資産)
300,000円
繰越額
(収入)
330,000円
現金
(資産)
30,000円
繰越金
(収入)
50,000円
前受金
(負債)
50,000円
前2行は、資産を新年度に引き継ぐ仕訳です。
預金と現金、合わせて330,000円を当年度に引き継いでいます。
ここまではよくあるパターンですのでそんなに難しくはないと思います。
しかし、このお金の中には50,000円の前受金(負債)が含まれています。
330,000円全部を繰越金とするわけにはいきません。
そのため、最終行で繰越金から50,000円を取り除き、前受金へと振り替えます。

 

3.前受金を会費に振り替える

※前受金50,000円を、新年度の会費として計上する

借方 貸方
前受金
(負債)
50,000円
会費
(収入)
50,000円
最後に、前受金と会費を振り替えます。
ここまできてやっと、新年度の収入に50,000円が計上されます。
年度末から始まった処理は、これで完了です。
会費の先払い以外にも「年度末に来年度分の助成金が振り込まれた」等、前受金の出番は案外あるものです。
 
年度の境目で担当者の交代、という自治会さんは多いと思いますが、
「年度末にはあった前受金が、新年度にない(繰越漏れ)」
なんてことにならないよう、前受金のような負債の存在も、忘れず申し送りするようにしてください。